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vol.40

京都大学 古阪秀三先生を迎えての社内勉強会②

2014/12/19

さて、今回のメールマガジンは、京都大学大学院工学研究科の古阪秀三先生を講師にお迎えして9月に実施した「アクア社内勉強会」の内容から、その2回目お届けいたします。

事業主のみなさまにとっても興味深い内容となっています。ぜひ最後までお読みいただきたく思います。

------AQA MAIL MAGAZINE-------Vol.40 ------

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建築、構造、設備、積算・コスト、設計事務所の選定、FM・建物
収益改善計画ならびに法律的な側面も含めた発注方式のアドバイス
等、各分野の専門担当者がみなさまのご相談にお答えいたします。
ぜひ、下記URLまでお気軽にアクセスしてください。

■アクア相談室 http://aqa-pm.co.jp/sodanshitsu/

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京都大学 古阪秀三先生を迎えての社内勉強会②
[講師]京都大学大学院工学研究科  古阪秀三 先生
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【古阪秀三 先生 プロフィール】
1951年生まれ。京都大学工学部建築学科卒業。清水建設での実務経験を経て、京都大学工学研究科准教授。この間、日本CM協会会長、建専連外部理事、建設産業戦略会議委員など。建築生産社会の刷新・国際化、技能労働者の処遇改善などに一貫して強い関心を持ち、教育・研究・実践活動を展開している。1990年 日本建築学会奨励賞(論文),1999年 日本建築学会賞(論文)。

写真紹介
http://aqa-pm.co.jp/workshop/pdf/conference.pdf
『第1回国際発注・契約研究会議』
(これ以降毎年キャンパスプラザ京都で開催しています)

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建設業者の海外進出の状況
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まずはアジアの市場、日本、中国、シンガポールの3か国における
それぞれの国の建設業者の海外への進出状況を見てみます。

日本の建設業者は中国とシンガポールに進出しており、中国の建設業者はシンガポールに進出しています。また、中国とシンガポールから日本に進出している建設業者、シンガポールから中国へ進出し建設業者はありません。

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シンガポールにおける日本と中国の建設業者の建設活動
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日本、中国、いずれの国の建設業者にせよシンガポールの法律と制度に従って建設活動をするとともに、日本、中国ともに自国での建築生産のしくみを、ほぼそのまま持ち込んで建設工事を行っている状況が見られます。

それはどういうことかと言えば、日本、中国、それぞれの国内における設計チームと施工チームの連携/業務分担の有り様がそのまま反映され、しくみとして持ち込まれているということです。

日本の建設業者と中国の建設業者、それぞれの現場組織を見れば一目瞭然です。

ある日本の建設業者の現場組織を例にすると、そこには詳細図・施工図・躯体図等を描く7人の図面班が用意されています。これは、決してシンガポールの法制度上要求されていることではなく、中国の建設業者では、現場組織に図面班は用意されません。

確かに日本の建設業者が施工図関係を描くことは、品質の確保や完成度の高い工事をするためには「いいこと」かもしれません。

しかしよく考えてみれば、発注者が要求していない仕事、すなわち過剰品質の仕事をしている可能性はないのでしょうか。また、日本国内と同じしくみを実現するためにかかる費用は、中国の建設業者との価格競争において不利な要素となることは容易に想像できるわけです。

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中国における日本の建設業者と中国の建設業者の建設活動
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中国において、日本の建設業者は中国の発注者から工事を受注することはできません。これは法制度上のことです。
よって、日本の建設業者が受注する工事の発注者は日系企業ということになります。

ではその工事はと言えば、中国の法律(法制度)の下で、日本の建設生産のしくみを持ち込みつつも、中国の建設生産のしくみを徐々に取り込みながら、建設活動を行っている状況が見られます。

つまり下請け企業には中国の専門工事業者を使い、下記のような組織によって工事を行っているということです。

①現場の所長、設備担当の主任等一部の要職を日本人が担当し、それ以外はすべて中国人という組織

②現場の所長以下すべて中国人という組織

実際に、現場組織全体が中国人スタッフで構成されている現場の例を見ても、日本人スタッフと現地スタッフのコミュニケーション、意思疎通がうまくいかないなどの問題が見られる①の組織よりも、ローカルスタッフを現場のトップとした②の現場の方がスタッフのモチベーションも高く、品質の面でも日本の現場と遜色ない状態が確保されていることも確認できます。

そしてそこに、日本の建設業者が海外の建設活動において、今後目指していくべき方向性があると考えられます。

(Vol.41に続く)